東京を100年以上にわたり走り続ける東京さくらトラム（都電荒川線）。都電の“最盛期”だった1943（昭和18）年度には、41系統213.6kmの軌道が都内を縦横に走り、1日平均1,932,312人が利用していました。都電荒川線の12.2kmだけになった今の1日平均利用者数は42,546人。乗車と降車を合わせた人数を停留場別に見ると、トップは9,802人の「王子駅前」、さらに9,074人の「町屋駅前」、8,475人の「大塚駅前」と続き、ほかの交通機関との乗り換えに便利な停留場が上位を占めています。乗降客数1位の王子駅前停留場一帯は、江戸時代から行楽地として人気のスポットでした。王子に路面電車の停留場ができたのは1915（大正4）年のこと。東京郊外を走る王子電気軌道の停留場として開業し、その後都電に引き継がれました。鉄道や幹線道路が集まる交通の結節点にある停留場として、今も多くの人が行き交っています。

※データは2021（令和3）年度