都内に現存する唯一の都電、東京さくらトラム（都電荒川線）。その歴史は、1911（明治44）年、東京鉄道株式会社から路面電車事業を買収し、東京市電気局が開局したことにさかのぼります。開業後は次第にエリア・路線を拡大し、文字通り「都民の足」として活躍。最盛期の1943（昭和18）年度には41系統が東京を縦横に走り、1日平均193万人が利用するほどまでになりました。戦後も1955（昭和30）年度には1日約175万人が利用。しかし、自動車の交通量が増大していくなかで、1967（昭和42）年から1972（昭和47）年にかけて35系統181kmの路線が廃止されました。そして1974（昭和49）年、27系統（三ノ輪橋〜王子駅前）の一部と32系統（荒川車庫前〜早稲田）の両系統が一本化されたのです。