ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)に隠された秘密や知られざる魅力をレクチャー
都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。
年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。
電力は、電車の運行に欠かせないものの一つ。東京さくらトラム(都電荒川線)では現在2カ所の変電所と、電力貯蔵施設から電車の走行に必要な電力を供給し、日々の安定した運行を支えています。
都電荒川線には、庚申塚変電所、西尾久変電所の2つの変電所があるんだ。変電所の役割は、電力会社から受け取った高圧の電力(交流6600V)を直流600Vに変換して電車線に送り、電車が走るための電力を届けること。都電がたくさん走っていた頃は、都電の車庫があった大塚や早稲田など、たくさんの場所に変電所があったんだって。だけど、路線の廃止に合わせてほとんどが役割を終え、今は2カ所になったんだよ。
庚申塚変電所外観
庚申塚変電所内部の様子
変電所のほかにもう一つ、都電荒川線の電車に電気を届けている施設があるよ。それが、面影橋停留場の近くにある電力貯蔵設備さ。この設備は、都電の電力回生システム(電車を走らせるためのモーターをブレーキ時に発電機として働かせ、発生した電気を再利用する仕組み)で作られた電気を貯めておくことができるんだ。庚申塚変電所と早稲田停留場の間は距離が長く、電車線からの電圧が下がりやすいんだって。電圧が下がってしまうと加速しにくくなってしまうから、そんな時は電力貯蔵設備で貯めておいた電気を送ってカバーしているのさ。電気をムダなく使う省エネにも一役買っている施設なんだね。
面影橋停留場付近に設置された電力貯蔵設備
早稲田停留場から面影橋停留場までの区間、都電は神田川と並行して走っています。神田川にかかる橋を渡る際には、目の前を横切る都電の姿を見ることができます。少しの間姿を見られた時はなんだかうれしくて、「あ、都電だ!」と思わず声を出してしまいます。春には川沿いを彩る桜を見にたくさんの人が訪れるお花見スポットでもあるこのエリア。季節ごとの魅力が感じられる場所なので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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