vol.26 王子エリアの今昔

TODEN PEDIA

ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)に隠された秘密や知られざる魅力をレクチャー

教えて、都電先生!

Profile都電先生

都電先生

都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。

年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。

王子エリアの今昔

王子エリアの今昔

江戸の昔から庶民の行楽地として親しまれていた王子エリア。複数の鉄道路線や幹線道路が交差する文字通り「交通の要」として、今もたくさんの人が行き交います。

 

交通の要でありながら歴史と文化が薫る街

東京さくらトラム(都電荒川線)、JR京浜東北線、東京メトロ南北線の3路線に加え、都営バスをはじめとした多くのバス路線が乗り入れるという交通アクセスの良さが魅力の王子エリア。王子駅周辺は、交通の要衝でありながら、江戸時代から桜の名所として知られる飛鳥山公園、地名の由来になった王子神社、渋沢栄一ゆかりの渋沢史料館や紙の博物館などが集まり、歴史と文化が薫る街として人気を集めているんだよ。

都電先生

都電の前身・王子電気軌道の中心

王子に鉄道が通ったのは1883(明治16)年のこと。日本初の私鉄・日本鉄道(現JR高崎線)の開通に合わせて、王子駅ができたのが始まりだよ。1915(大正4)年、王子電気軌道(東京さくらトラムの前身)の王子停留場ができると、さらに交通の便が良くなり、渋沢栄一などが設立した王子製紙を中心に、大小たくさんの工場が軒を連ねていたんだって。 王電の路面電車は、王子駅前の停留場を中心に、三ノ輪橋方面、早稲田方面、赤羽方面の3方向に走っていたんだ。その路線は、昭和40年代まで都電27系統(三ノ輪橋―赤羽)と32系統(荒川車庫前―早稲田)として残っていたんだよ。王子駅前にはほかに都電19系統(王子駅前―通三丁目)も通っていて、王子から駒込、本郷、神田を通って日本橋へ行くことができたんだ。1972(昭和47)年、27系統の赤羽―王子駅前間が廃止され、残った三ノ輪橋―王子駅前と32系統を統合して生まれたのが、今の都電荒川線なのさ。

1971(昭和46)年に廃止された19系統。写真は王子駅前停留場で折返し作業に入る19系統八重洲通行3000形(右)と信号待ちの32系統早稲田行2500形(左)。

1971(昭和46)年に廃止された19系統。写真は王子駅前停留場で折返し作業に入る19系統八重洲通行3000形(右)と信号待ちの32系統早稲田行2500形(左)。

 

映える撮影スポット

映える撮影スポット

都電雑司ヶ谷停留場から東池袋四丁目停留場へ向かう東京さくらトラムの車内

都電雑司ヶ谷停留場を過ぎ、次の東池袋四丁目停留場に向かう途中、進行方向左手に池袋の高層ビル「サンシャイン60」が一望できる場所があります。再開発に伴う工事が行われているため見晴らしがよく、都電の中から超高層ビルの全形を見ることができます。都電の車窓からの景色も、街の移り変わりとともに日々姿を変えていくことがわかる風景です。