ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)に隠された秘密や知られざる魅力をレクチャー
都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。
年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。
その名の通り、「あらかわ遊園」のすぐそばに位置する荒川遊園地前停留場。遊園地の誕生と同じ年に完成し、遊園地とともに歴史を刻んできた停留場は、開業から100年以上経った今も、楽しいひとときを過ごすたくさんの人が行き交っています。
荒川遊園地前停留場ができたのは、あらかわ遊園ができた1922(大正11)年のこと。開業当時から「荒川遊園前」「遊園地前」といった名前が付いていたんだ。その後、停留場の住所と同じ「尾久六丁目」や「西尾久七丁目」に変わり、1983(昭和58)年に「荒川遊園地前」になったんだよ。
1967(昭和42)年当時は「西尾久七丁目」の名称だった
あらかわ遊園は、1922(大正11)年5月、王子煉瓦株式会社の広岡幾次郎(のちに勘兵衛)という人が出資して開園したのが始まりだよ。東京さくらトラム(都電荒川線)の前身・王子電気軌道(王電)とは開園当初から提携していて、一時は王電が経営していたこともあるんだって。王電の創立15周年には、「あら川遊園で社員と家族のために慰労会を開いた」という記録も残っているんだ。戦時中は高射砲陣地になっていたんだけど、1950(昭和25)年に荒川区立の「荒川遊園」として再びスタートしたんだよ。
※あらかわ遊園の名称については、参考文献に倣い、当時使われていた名称をそのまま使用しております。
停留場の近くには、昔「尾久グラウンド」という野球場があったんだ。1922(大正11)年に完成したこの球場は、東京大学の野球部が練習に使っていて、1925年と26年には東京六大学野球の公式戦も開かれたんだ。だけど、経営難で1927(昭和2)年には廃止になっちゃったんだって。尾久グラウンド跡は、日本の野球にまつわる聖地・名所150選に選ばれているよ。
あらかわ遊園
都内で唯一の区営遊園地。“日本一遅いコースター”がキャッチフレーズのファミリーコースターや観覧車、動物と触れあえる「どうぶつ広場」などのエリアがあり、夜間開園時のイルミネーションも人気です(金・土・日・祝・祝前日に実施)。引退した都電車両「一球さん号」もカフェとして活躍しています。
住所:東京都荒川区西尾久6-35-11
電話番号:03-3893-6003
開園時間:9:00~17:00(夜間開園日は20:00まで)。どうぶつ広場は10:00~15:30
休園日:毎週火曜日(火曜が祝日の場合は翌日)、年末年始 ※学校の春休み、夏休み、冬休み期間は無休
入園料:大人800円、65歳以上400円、中学生400円、小学生200円、未就学児無料
※のりものや遊具の利用などには、別途のりもの券が必要。入園料とのりもの乗り放題などが含まれるフリーパスあり。
アクセス:荒川遊園地前停留場から徒歩3分
荒川遊園煉瓦塀
住宅地の中に、かつての荒川遊園を囲んでいた煉瓦塀の一部が残されています。煉瓦の長手だけの段と小口だけの段を1段おきに繰り返し積む「イギリス積み」が特徴で、1922(大正11)年の荒川遊園開業時の構造と考えられています。
住所:東京都荒川区西尾久6-20
アクセス:荒川遊園地前停留場から徒歩6分
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