ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)に隠された秘密や知られざる魅力をレクチャー
都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。
年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。
周りを学校や静かな住宅地に囲まれた巣鴨新田停留場。かつては東京さくらトラム(都電荒川線)の前身・王子電気軌道の発電所や本社があり、王電の運行を支える重要な場所でした。
巣鴨新田停留場は、1911(明治44)年8月、東京さくらトラムの前身・王子電気軌道の大塚-飛鳥山間が開業した時からある停留場だよ。「巣鴨」という地名の由来は、大きな池や沼があってそこに鴨が住んでいたから、ともいわれているけど、はっきりは分からないんだ。古い記録では「洲鴨」「須賀茂」「須賀母」という文字が当てられているものもあるんだって。
王子電気軌道(王電)は、路面電車を走らせるだけでなく、発電して住宅などに電気を供給する事業も行っていたんだ。王電が創業当時発電所をつくったのが、巣鴨新田停留場の近くなんだよ。1923(大正12)年には、停留場の近くに、本社の社屋も建てられたんだ。王電にとって大事な場所だったんだね。
王子電気軌道の社屋(昭和15年ごろ)
王子電気軌道株式会社編纂『趣味の北部東京案内』明治書院,
昭和15.(国立国会図書館デジタルコレクション)
停留場のすぐそばには、昔、「養育院巣鴨分院」があったんだ。養育院は1872(明治5)年、生活に困っている人々に教育や医療を提供する施設として設立され、1879(明治12)年には実業家・渋沢栄一が初代院長になったんだよ。子どもたちの保護や教育を行う巣鴨分院ができたのは、停留場ができる少し前の1909(明治42)年のこと。渋沢は、巣鴨分院に毎月のように通って、子どもたちと交流していたんだって。
宮仲公園
1941(昭和16)年に開園した児童公園で、渋沢家ゆかりの住民によって旧東京市に寄付された土地を利用してつくられました。園内にある記念碑にその由来が伝えられています。
住所:東京都豊島区上池袋1-36-1
アクセス:巣鴨新田停留場から徒歩4分
都立染井霊園
「染井」は江戸時代の地名で、当時の染井村の植木屋が売り出した桜が「ソメイヨシノ」として広まったと言われています。7haの敷地には桜の古木が点在し、桜の名所としても知られています。
住所:東京都豊島区駒込5-5-1
アクセス:巣鴨新田停留場から徒歩15分
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