vol.11 荒川二丁目

TODEN PEDIA

ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)に隠された秘密や知られざる魅力をレクチャー

教えて、都電先生!

Profile都電先生

都電先生

都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。

年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。

荒川二丁目

荒川二丁目

下町の住宅街の中に位置する荒川二丁目停留場。近くには荒川区の文化施設や歴史ある建造物があり、停留場の花壇や周辺の軌道沿いではバラを楽しむこともできます。

 

開業当時の停留場名は「三河島」

荒川二丁目停留場は、東京さくらトラム(都電荒川線)の路線の前身である王子電気軌道の「三河島停留場」として、1913(大正2)年ごろ開業したんだ。1961(昭和36)年に「荒川二丁目」に名前が変わり、2017(平成29)年には最寄りの施設の名前から「ゆいの森あらかわ前」という副名称も付けられているよ。

都電先生

戦国時代の記録にも残る地名

三河島という地名の由来には、徳川家康が江戸幕府を開いた時に三河国から従ってきた家臣の知行(ちぎょう)※だったから、3つの川に囲まれた場所だったからなど、いくつかの説があるんだ。古い記録では、戦国時代の『小田原衆所領役帳』に「三川ヶ嶋」という地名が残されているんだって。
※大名が家臣に対して俸禄として与えた土地のこと

都電先生

将軍が鶴を捕獲する「鶴御成」の場

江戸時代、鶴の飛来地だった三河島は、将軍自らが鷹狩で鶴を捕まえて朝廷に献上する「鶴御成(つるおなり)」が行われる場所だったんだ。歌川広重の「名所江戸百景」には、そのころの風景が描かれているよ。絵を見ると、きれいな鶴が飛ぶのどかな場所だったことが分かるね。

『名所江戸百景 蓑輪金杉三河しま』 国立国会図書館デジタルコレクション

『名所江戸百景 蓑輪金杉三河しま』
国立国会図書館デジタルコレクション

スポット情報

ゆいの森あらかわ

荒川区の「中央図書館」、荒川区出身の作家・吉村昭を紹介する「吉村昭記念文学館」、子どもたちの夢や生きる力を育む「子どもひろば」が融合した施設。子どもから高齢者まで幅広い世代が学び、遊び、楽しめる場として活用されています。

住所:東京都荒川区荒川2-50-1
電話番号:03-3891-4349
開館時間:9:00~20:30
休館日:毎月第3木曜日、施設点検日、年末年始及び蔵書点検期間
アクセス:荒川二丁目停留場から徒歩1分

ゆいの森あらかわ

旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)場施設

1922(大正11)年に運転を開始した、日本で最初の近代下水処理場。1999(平成11)年まで約80年間稼働し、2007(平成19)年に国の重要文化財(建造物)に指定されました。事前予約制で内部の見学ができます。

住所:東京都荒川区荒川8-25-1
電話番号(予約受付):03-6458-3940(休館日を除く)
受付時間:9:00~17:00(見学は16:00まで)
休館日:火曜日、金曜日、年末年始
アクセス:荒川二丁目停留場から徒歩3分

旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)場施設