vol.9 大塚駅前

TODEN PEDIA

ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)の停留場名や地名の由来、沿線の歴史的なスポットをレクチャー

教えて、都電先生!

Profile都電先生

都電先生

都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。

年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。

大塚駅前

庚申塚

大塚駅前停留場は、東京さくらトラム(都電荒川線)の前身・王子電気軌道の開業と同時にできた、都電の中でも古くからある停留場の一つ。現在はJR山手線との乗換駅として、毎日多くの人が行き交います。

 

王子電車が走り始めた場所

王子電気軌道(王電)は、1911(明治44)年8月20日、大塚―飛鳥山間で開業したんだ。この「大塚」が、今の大塚駅前停留場さ。当時、大塚―飛鳥山はたった2.45㎞。その間に、滝野川、庚申塚、巣鴨新田の3つの停留場があったんだ。開業した時には、華やかに飾り付けられた花電車を走らせてお祝いし、初日だけで1,500人が乗車したという記録が残されているよ。

王子電車が走り始めた場所

出典:『王子電気軌道株式会社二十五年史』
(王子電気軌道、1935年)
国立国会図書館デジタルコレクション

都内有数の繁華街だった大塚

王電ができた当時の大塚は、1903(明治36)年に日本鉄道(現在のJR)の大塚駅が開業していたこともあって、どんどん人が集まり、街が大きくなっていったんだ。飛鳥山もそのころ東京で人気の観光スポットだったから、人が集まる街と観光地を結ぶ王電には、きっとたくさんのお客さんが乗っていたんだろうね。

都電先生

南北の停留場が高架下で一つに

開業からしばらく経って大塚から南に軌道が延び、1925(大正14)年には大塚―鬼子母神前が開業したんだ。ただ、当時の大塚駅前停留場は山手線の線路を挟んで北側と南側に分かれていたんだよ。山手線が高架化された後、1929(昭和4)年に南北の停留場の間に連絡線が開通し、ようやく直通運転ができるようになったんだ。今は、JR山手線の高架下に収まるようにして停留場があるよ。

南北の停留場が高架下で一つに

スポット情報

天祖神社

鎌倉時代末期の元亨年間(1321~24)に巣鴨村の鎮守として創建された神社で、令和3~6(2021~24)年が創建700年に当たります。例大祭(9月17日)の前後には、たくさんの神輿や山車が繰り出し、盛大なお祭りが行われます。

住所:東京都豊島区南大塚3-49-1
電話番号:03-3983-2322(受付は9:00~17:00)
アクセス:大塚駅前停留場から徒歩3分
※令和5年春から境内や建造物の改修工事中。参拝は可能

天祖神社

南大塚公園

黄色い都電があることで親しまれている、住宅地の中にある公園です。都電の車両は1949(昭和24)年に製造された6000形。都民の足として活躍した都電を残したいという地元住民の要望を受け、1971(昭和46)年に設置されました。

住所:東京都豊島区南大塚2-27-1
アクセス:大塚駅前停留場から徒歩7分

南大塚公園