vol.8 熊野前

TODEN PEDIA

ちょっとキザで王子キャラの「都電先生」が、東京さくらトラム(都電荒川線)の停留場名や地名の由来、沿線の歴史的なスポットをレクチャー

教えて、都電先生!

Profile都電先生

都電先生

都電をこよなく愛し、日々街をそぞろ歩きながら悠々自適に暮らしている少し謎めいた青年。アンティークやクラシカルなものが大好きで、ちょっとキザな口調が特徴。

年齢:永遠の28歳
趣味:純喫茶巡り
好きな花:都電沿線に咲くバラ。「荒川二丁目停留場周辺」のバラが特にお気に入り。

熊野前

熊野前

東京さくらトラム(都電荒川線)と日暮里・舎人ライナーが交わる熊野前停留場。地域に密着した2つの路線がたくさんの人の生活を支えています。

 

近くにあった熊野神社が名前の由来

熊野前停留場は、1913(大正2)年4月、王子電気軌道(王電)の飛鳥山下―三ノ輪(当時)間の開通とともに開業したんだ。「熊野前」は、昔停留場の近くにあった熊野神社にちなんだ名前だよ。熊野神社は、鎌倉時代末期の元亨年間に豊島景村が紀州熊野から勧請(かんじょう)※したと伝わっているんだ。停留場開業前の1878(明治11)年には近くの八幡神社に合祀されてしまったけど、その後も小さなほこらを残していたんだって。
※勧請…神仏の分身・分霊をほかの地に移してまつること

都電先生

大正時代に急速に発展した熊野前

「熊野前」は、停留場がある場所の昔の地名でもあるんだ。熊野前がある尾久地区は、明治時代までは田んぼが広がる農村だったんだって。でも、大正時代になると地区内にさまざまな工場が建ち、人口も増え、急速に発展していったんだ。大正10年ごろの熊野前停留場周辺は、村役場や小学校があり、村の中心として栄えていたという記録もあるよ。

都電先生

新旧の「くらしの足」が交わる場所

熊野前停留場は、日暮里・舎人ライナーの熊野前駅との乗換駅でもあるよ。日暮里・舎人ライナーは2008(平成20)年に開業した路線で、コンピュータ制御による自動運転をしているのが特徴なんだ。明治時代から走り続けている都電と、新しい技術でみんなを運ぶ日暮里・舎人ライナー。2つが交わる熊野前は、東京の交通の歴史も感じられる場所なのさ。

新旧の「くらしの足」が交わる場所

スポット情報

都立尾久の原公園

広々とした芝生広場やはらっぱ、トンボ池、夏は水遊びができるジャブジャブ池などがあり、四季の自然が楽しめる憩いの場として親しまれています。約170本の桜(シダレザクラ)が植栽され、お花見のスポットとしても人気です。

住所:東京都荒川区東尾久7
電話番号:03-3819-8838(尾久の原公園サービスセンター)
アクセス:熊野前停留場から徒歩8分

都立尾久の原公園

日暮里・舎人ライナー 熊野前駅

日暮里・舎人ライナーは、日暮里-見沼代親水公園間(9.7km・13駅)を運行する新交通システムです。通勤通学や生活を支える地域の足として親しまれ、熊野前駅では一日平均約7,800人が乗降しています。

住所:東京都荒川区東尾久3-37-6

日暮里・舎人ライナー 熊野前駅